咬合調整

このページでは、歯科医クリニックで行われる噛み合わせ治療のひとつ・咬合調整についてまとめています。

噛み合わせを調整する咬合調整

咬合調整は、歯やインプラント・義歯などを少し削ることによって噛み合わせを調整する治療法です。不正咬合で噛み合わせが悪くなり、特定の歯に重い負担がかかっている場合に施術されます。

噛み合わせのバランスが悪いと慢性的な痛みや身体の歪み、歯ぎしりの原因となります。歯だけではなく、身体全体の健康を守るためにも咬合調整はとても重要なのです。

咬合調整のメリット

咬合調整は、歯のバランスを整えるためにも非常に有効的です。噛んだときに歯と歯がぶつかるところができてしまうと、その歯に通常の何倍もの力がかかってしまいます。その結果、歯が欠けたり割れたりするのです。割れたり欠けたりすると、周りの歯にも影響。最悪別の歯が欠けたり割れたりする可能性があります。咬合調整をすることで歯全体をバランスよく保つことが可能です。

咬合調整のデメリット

いったん削った歯は、例えその面積が少しだとしても二度と元には戻りません。「きちんとした治験や実績もないまま、安易に歯を削る医師が多い」理由から、咬合調整に異を唱える医師は多数存在するほどです。

また、咬合調整を行う際に噛み合わせを確認する「咬合紙」の不正確さや咬合調整を行う際の患者の姿勢により生じる「ズレ」を指摘する医師もいます。もし調整の際に新たな不正咬合が生じるようなら、何度も治療が続く可能性も考えられます。

こうした意見を見ていて分かることは「咬合調整には、きちんとした理論や実績に裏打ちされたノウハウが必要」だということです。中には「ウチは咬合調整を行いません」と明言する医師もいます。

咬合調整を始める前に、医師とよく話し合い「安易に治療を行っていないか」を確認しておく必要はありそうです。

咬合調整のポイント

噛み合わせの調整(咬合調整)は歯と歯がそれぞれ正しい位置で噛めるようにする調整のための治療です。 噛み合わせの乱れを放置していると、歯のすり減りやアゴのずれといった原因になり、さらに特定の歯に負担がかかり続ける可能性もあります。

アゴのずれが問題となっている患者さんについては、アゴの位置調整も含めながら噛み合わせ治療を行います。歯の噛み合わせだけを直そうとすると、治療結果が十分でない場合が多いのです。 アゴの位置から調整を行うことが、咬合調整のポイントになります。しかし万が一アゴの調整を行わずに噛み合わせだけを行っても、こまめに装具の位置を微調整するなどして調整を行うことで、予後が良くなります。

咬合調整では、腫れなどのトラブルが発生することもあります。その際は、トラブルを最小限にすることを念頭に置きながら治療を進めます。 上下の歯にすき間ができると、ほほを噛むなどして噛み合わせとは別のトラブルが起きることもあります。咬合調整ではそのような状態を避けるため、また噛み合わせの悪さが再発しないように、ベストなバランスを求めて調整を行います。

咬合調整に痛みはある?

咬合調整は患者さんそれぞれにより状態が異なりますが、まれに痛みを生じる場合もあります。痛みや腫れが出ている場合は、それらを取り除くことを最優先に治療を行います。 噛み合わせが悪いままだと、口の中に痛みが出るといったトラブルや、頭痛やアゴの痛みなど口の中とは別の場所に痛みが出ることもあります。また、矯正器具によって歯周病や虫歯などを発症し、口腔内のトラブルとして痛みが出ることもあります。

噛み合わせは口の中の基本的な機能はもちろん、体のバランスや歪みなどにも影響するため、痛みが出た場合はすぐに原因を突き止め、治療するのが基本です。 医師は痛みを訴える患者さんに対して、アゴ(顎関節)の動きを妨げていないかを調べたり、上下左右の歯にズレや食い違いがないか確かめます。

さらに一つ一つの歯に加わる力や、力のかかる方向を見極めながら、歯列に不整がないかどうかもチェックします。このようにして微調整を重ねながら、咬合調整を行います。 咬合調整では歯を削ったり、専用のテンプレートやマウスピースを装着するなどして調整を行います。患者さんごとに状態や症状が異なるため、どの方法を採用するかは医師の判断もしくは患者さんの希望によります。

マウスピースの場合、食事や歯磨きなどの際に外すことができるので、強い痛みや負担もなく安全に調整ができます。 矯正治療を行ってもなお、歯の「当たり」が悪い場合には、悪い部分を削るなどして咬合調整を行います。歯の周辺に炎症が起きている場合は、薬を使い炎症が収まるまで待たなければなりません。患者さんの状態によっては、咬合調整に時間がかかることもあります。

痛みの出ている部分を無理に削ったり抜いたりすることは、必ずしも咬合調整では良しとされていません。 近年では「抜かない矯正」などという新しい治療もありますので、自分の歯を大切にしたい方は最新の治療を痛みなく行ってくれる歯科医院を選ぶと良いでしょう。

咬合調整に保険は適用される?

咬合調整は基本的に保険の適用範囲外とされています。たとえば頭痛など、噛み合わせの悪さによる不快な症状を解消するための治療に対しては、保険適用の対象からは外れます。 ただし、矯正治療によって虫歯などを発症してしまった場合には、そちらの治療は保険適用となります。また、口唇口蓋裂などの先天性疾患に起因する咬合異常の場合は保険適用対象となります。

咬合調整に際して、医師の判断で病名などを付けて保険適用の治療を行うと、法律に抵触することになります。また、保険診療と自費診療をそれぞれ組み合わせて行うことも、法律に触れる行為となります。

咬合調整の手順

咬合調整の方法は、歯科医院によってさまざまな方法があります。どんな方法を用いて咬合調整を行うかは、患者さんとの相談、また状態に応じて決定することとなっています。

  • Glickman の咬合調整法
  • Schuyler の咬合調整法
  • Ramfjord の咬合調整法
  • Lauritzen の咬合調整法
  • Stuart の咬合調整法
  • Guichet の咬合調整法

引用元:保母須弥也 「咬合学事典」書林

基本的に6つの調整法があるといわれています。どの方法を使って行うかは、各歯科医院によって異なるのですが、おすすめしている「ホープデンタルクリニック」で行われている咬合調整の方法をご紹介します。

相談と審査

一般的検査を行ってから、問診で現在感じている不調なども確認します。そして、口腔内がどうなってるか現状を知るため、写真撮影を行います。ここで撮影する写真は、口腔内だけではありません。かみ合わせが全身の姿勢に影響していないかどうかをチェックするために、全身も撮影します。 そして、上下の歯の型を取り、レントゲン撮影…ここまでが1段階目の相談と審査です。 まだ相談と審査は続きます。次は2段階目、かみ合わせを実際調整し、スプリントの調整も行います。

治療

続いて、本格的な治療が開始となります。しっかりと正しい状態になるように細かく調整を行っていくことで、バランスのいいかみ合わせが手に入るでしょう。

メンテナンス

最後に、メンテナンスも重要です。ずれが発生していないかをチェック、そしてスプリントを定期的にメンテナンスすることになります。

歯の治療後に大事な咬合調整

歯の治療をした際に、必ず歯科医院ではかみ合わせをチェックします。その理由は、治療をして歯を削ったり、かぶせ物をしたり、治療をすると以前のかみ合わせと変わってしまうからです。ここで気を付けなくてはいけないのが、削りすぎです。医師から患者へ、かみ合わせの状態はどうかという質問をよくしますが、多くの人が少し削りすぎている、と判断される状態まで、削ってほしいという人が多いのだとか。

やはり今までなかったかぶせ物や詰め物なので、違和感がある咬合調整でしょう。でも、一度削りすぎてしまったものは元に戻すことができません。 歯の治療後の咬合調整に関しては、医師のアドバイスを受けて調整してもらったほうがいいでしょう。

咬合調整と歯周病の関係とは?

歯周病と咬合調整はとても関係が深いといわれています。歯周病の治療をするにあたって、まずかみ合わせから調整する、という歯科医院もあります。

かみ合わせを整えて、過剰な刺激を抑える

歯周病は、刺激を受けることで進行する恐れがあります。すでに歯周病がかなり深刻化している部分に、悪いかみ合わせによって過度な負担がかかるとどうなるでしょうか。刺激を受けて炎症しやすくなりますよね。刺激しないように、調整することで歯周病の進行をおさえ、さらに歯周病の治療もスムーズになります。

咬合調整費用相場

咬合調整を始めるあたって、気になるのは治療にかかる費用です。様々な方法がある咬合調整だからこそ、かかる金額も異なります。基本的に、咬合調整は自由診療となるため、保険は適用外となります。ただし、治療をするにあたって、様々な項目があり、行う内容によっては保険が適用となる項目もあるようです。 金額は、1回あたり安いところで3万円ぐらいから、10万円以上というところもありますが、だいだいその間の金額が目安となります。

そこにプラスして、検査料や調整料というようなお金も必要となるので、想像しているよりも少し高くなるかもしれません。また、どれぐらい調整が必要なのかによっても、最終的にかかる金額は異なるでしょう。

咬合調整で失敗してしまうとどうなる?

咬合調整は適切なかみ合わせにすることが目的なのですが、時に失敗してしまうこともゼロとはいえません。もちろん、失敗することがないように治療をするのですが、万が一失敗してしまうと、様々な不調が起こります。

痛みが続く、ひどくなる

咬合調整をする前の状態でも、いろいろと感じていた不調があるはずです。頭痛やめまいなど…変わらず不調は続いてしまうでしょう。以前よりもひどくなってしまうと、さらに強い頭痛やめまい、その他の不調に悩まされる可能性もあります。

あごの痛み

咬合調整が失敗に終われば、あごの痛みも継続します。顎関節の痛みを何とかしたい…と咬合調整をする人も多いのですが、改善するはずだった痛みが続いているとなると、咬合調整は失敗ですね。

 

心配なのは、咬合違和感症候群

かみ合わせや咬合調整は、患者自身が一番いいと思える状態を…と考え、患者の指示によって調整してしまうと、失敗する可能性が高まるのだとか。これは患者が、「咬合違和感症候群」になっている可能性があるにもかかわらず、「患者が訴えるから」と調整を続けることが原因です。咬合違和感症候群というのは、本来はかみ合わせも問題ない状態なのに、その状態に違和を感じてしまうという状況です。 そのまま患者が訴えるのを鵜呑みにして調整すると、だんだんと本来正しかったかみ合わせが崩れ、その結果ますます患者の悩みは増えていく、という結果につながります。 今まで正しくない咬合だったものが、正しい咬合に戻っていることで、患者は不思議な感覚になります。

今までずれていたものが正しいと認識していた体は、なかなか本来の正しい咬合を受け入れられない、というのが実際のところです。そこをちゃんと乗り越えられるかどうかが、咬合調整に失敗しないための大きな分かれ道となるのではないでしょうか。

咬合調整の目的

歯が不自然、かつ異常に接触している状態を取り除くことで、歯周組織を守る 咬合が悪いと、歯は不自然に接触をします。そうすることで、その部分だけ削れやすくなったり、その近くは汚れがたまりやすくなるなど、長期的に見て不具合が生じてしまいます。それを改善することが目的としては大きいですね。

正しくない咬合や歯ぎしりによって起こる、異常に緊張している筋肉をゆるめる 歯ぎしりが強い人は、筋肉が異常に緊張しています。常に食いしばっている状態なので、当然ですよね。そういった辛さを取り除いてくれるのが、咬合調整です。正常なかみ合わせができるようになれば、一定の筋肉に負担をかけることもなくなりますし、歯ぎしりをする人によく起こる疼痛の改善にもなるでしょう。

咀嚼の効率を高め、食事を食べやすくする

咬合がうまくできていないと、咀嚼の効率が悪くなります。うまく噛めなくて、かみ砕く前に飲み込んでしまう、となると、正しい咀嚼とはいえません。噛もうと思っても噛めないというストレスは、本人が一番感じているはず。正しく咀嚼ができるようになるために、咬合調整をする必要があります。

スムーズな咀嚼によって、歯肉の健康を保つ

咀嚼がスムーズになることで、得られる効果はまだあります。歯肉の健康は、正しく元気よく噛むことで保たれています。唾液には殺菌効果がありますが、咀嚼回数が少なかったり、うまくできていないと、唾液の分泌量も悪くなりますね。それでは歯肉の健康を保つことができません。正しい咀嚼でしっかり使うことが、歯肉の健康につながります。 また、食べ物が歯に挟まりやすい人も、咬合がうまくできていない可能性が高いですね。食べ物が歯に挟まれば、当然その部分から虫歯が広がることも。正しい咬合で防ぐことができます。

必要のない圧力を分散させる

咬合がうまくできていないと、ある一定の場所にばかりかみ合わせる際の圧力がかかってしまいます。様々な不調をきたす原因になるため、咬合調整を行います。

咬合調整をする人にとっての効果とは

体のバランスが整う

かみ合わせがうまくできていないことで、感じている不調はたくさんあるはずです。その原因は、うまく体のバランスがとれていないから。もちろんかみ合わせが悪いことが影響しています。頭痛やめまい、目の不調、あごや首の痛み、肩こりや腰痛…体のいろいろな部分の不調が、かみ合わせによって発生している可能性も高いです。 咬合調整をすることで、感じていた不調が改善する可能性が高いでしょう。患者さんにとっての咬合調整の目的は、日々感じていた不調を改善させるためともいえるでしょう。

咬合調整とマウスピース

咬合調整はマウスピースを使用する方法が多いです。マウスピースを使う方法は2つあります。

スプリント

顎関節症の症状が強く出ている場合、ずれが大きくてすぐに正しい位置に戻すのは難しいとき、マウスピースを装着して徐々に正しい位置へと誘導していくという方法を行います。

ナイトガード

寝ている間に激しく歯ぎしりをしてしまう場合、歯の削れなどが心配になります。咬合調整の妨げにもなるため、薄めのマウスピースで歯ぎしりによるダメージを予防します。

マウスピース治療って実際のところどう?

マウスピースを使った治療を行う歯科医院は多いのですが、安易なマウスピースの治療は良くない、という声もあります。それは、つけているときと外したときで、かみ合わせが変わってしまうから。体がどちらを普通のかみ合わせとして認識したらいいのかがわからなくなるため、体がバランスを崩してしまう可能性があります。

もちろんマウスピースが効果的な場合もあるので、絶対に良くないというわけではありませんが、より歯科医師の技術や診断によって行われる方法の咬合調整のほうが、優れているという考え方もあります。

埼玉で咬合調整を行っているクリニック

  • ホープデンタルクリニック
  • ツカ原歯科医院
  • 飯塚歯科医院
  • 島歯科医院